マトリョーシカとは

ロシアの民芸品として有名な「マトリョーシカ」は、菩提樹や白樺などの木を材料とし、中から次々と小さい人形が出てくる入れ子型の人形です。今でもひとつひとつ手描きで描かれているため、顔や模様が全く同じものは二つと存在しません。 また、ロシアではマトリョーシカの一番小さな人形に願いを込めて息を吹きかけ、ふたをして元の通りに戻しておくと、願いが叶うという言い伝えもあります。

名前の由来

マトリョーシカは「マトリョーナ」というロシア女性の名前を親しみを込めて呼ぶときの愛称、つまり「マトリョーナちゃん」という意味です。 マトリョーナはラテン語で「母」を意味する“mater”を由来とし、ロシア革命以前の昔、農民女性に大変多い名前でした。そのためマトリョーシカは大家族の健康的なお母さんを連想させ、また中から次々と小さな人形が出てくる様子が子孫繁栄や家庭円満、安産・子宝に恵まれる象徴とされ、母親がお嫁に行く娘に持たせる縁起物となりました。

マトリョーシカの歴史

~マトリョーシカのルーツは箱根の七福神人形!~ 19世紀末、モスクワ郊外のアブラムツェヴォという村に、実業家マモントフ夫妻が経営する「子どもの教育」というアートサロンがありました。ある日、ロシア人宣教師が日本から持ち帰った(マモントフ夫人自身が日本から持ち帰った、という説もあります)頭の禿げた温厚そうなおじいさんの人形の中に、6つの人形が入れ子になって入っているユニークな人形が持ち込まれました。その人形が実は箱根の七福神人形だったのです。(頭の禿げたおじいさん=福禄寿)

~最初のマトリョーシカとパリ万博~ 大きな人形の中に小さな複数の人形が隠れているこの構造をサロンに参加していた芸術家セルゲイ・マリュチンが気に入り、それを元として1892年、旋盤工ヴァシリー・ズヴェズドチキンが木型を削り、マリチュンが絵付けした最初のマトリョーシカ「にわとりを持った若い女性」ができあがりました。 黒い雄鶏を抱えた母親と7人の子供たちで構成された、農家の家族の8個組マトリョーシカ。このマトリョーシカは1900年のパリ万博に出展され、おもちゃ部門で銅メダルを受賞。それをきっかけにマトリョーシカは世界的に有名になり、注文が殺到しました。

~ロシアを代表する民芸品へ~ その後、マトリョーシカ工房はアブラムツェヴォからセルギエフ・ポサードに移転、1929年には「第1おもちゃ工場」ができあがります。1930年代に入るとセミョーノフやポールホフ・メイデン、キーロフ、ハチコヴォ、トヴェーリ、ノヴォクズネツク、バシコルトスタンなどロシア各地に国営工場ができ、また、それぞれの工場によって特徴あるマトリョーシカが生まれました。こうしてマトリョーシカは、ロシアを代表する民芸品となります。

~ソ連崩壊後のマトリョーシカ~ ソ連崩壊後の1990年代になると、政治家やポップスター、サッカー選手などが描かれたマトリョーシカや、多種多様な色、形状、大きさのマトリョーシカが登場するようになりました。また、ギネス世界記録によると、最大かつ最多個数のマトリョーシカは2003年5月に作られた51個からなるトリョーシカで、最大のものは高さ53.97cm、最小のものは3.1mm、51個全てを並べると、3.41mもあるそうです。

マトリョーシカができるまで

~材料となる木の伐採と乾燥~ マトリョーシカの素材となる木は、菩提樹や白樺などの木です。それらを伐採し、1年~3年ほど寝かせてしっかり乾燥させた後、いくつかのブロックに切り分けられます。

~木の削り出し~ 次に切り分けられた木をろくろのような機械にはめ込み、形を削り出します。マトリョーシカはちょうどお腹のあたりでパカッと2つに分かれるようになっていますが、その上の部分(顔や胴体の部分)と下の部分(スカートの部分)は別々の木から作られます。

~マトリョーシカのパーツ作り~ 削り出しは最初に下の部分をまとめていくつも作っていきます。このパーツにはしっかり乾燥させた硬くて丈夫な素材が必要です。その後に上の部分を作りますが、この上のパーツは下のパーツほど乾燥していない、少しの湿度のあるやわらかい素材を使います。後にこれら上下を組み合わせて上のパーツが乾燥すると、上のパーツが下のパーツとぴったりフィットし、開け閉めにちょうど良い状態となるのです。 そして最後にやすりで磨き、「白木」と呼ばれるマトリョーシカができあがります。

~マトリョーシカのパーツ作り~ 削り出しは最初に下の部分をまとめていくつも作っていきます。このパーツにはしっかり乾燥させた硬くて丈夫な素材が必要です。その後に上の部分を作りますが、この上のパーツは下のパーツほど乾燥していない、少しの湿度のあるやわらかい素材を使います。後にこれら上下を組み合わせて上のパーツが乾燥すると、上のパーツが下のパーツとぴったりフィットし、開け閉めにちょうど良い状態となるのです。 そして最後にやすりで磨き、「白木」と呼ばれるマトリョーシカができあがります。